大人とヴィンテージと古着、少女時代とノスタルジックな古着

Wcblogアイキャッチ500375

目次

ヴィンテージの魅力

チロルジャケット赤

こんにちは。福岡の天神北にあるティー・ウィズ・ドレスのAtsukoです。
私の営むヴィンテージショップを大人の人に楽しんでもらいたい、知っていただきたいと思いますので、ダイアリーのようなスタイルで、ティー・ウィズ・ドレスの紹介や、私の興味のあること、大人が楽しめる福岡の魅力などをご案内いたしますので、大人の皆様やこういうのが好きな若い方にも楽しんでいただけると嬉しいです。
今回は大人の女性に提案するヴィンテージのスタイルについてお話ししたいと思います。

ここ数年、大人のファッショントレンドの主導権を握っているのはヴィンテージフィーリングのアイテムです。モノが溢れている昨今ですが、古いデザインの洋服やヴィンテージ、若い人にとってリーズナブルに自分らしさを損なわず、すこしだけ大人の表現ができるので、新鮮に感じて若い女の子たちが上手に取り入れているのを見ると素敵だな~と思います。

そして大人に憧れていた自分の少女時代を思い出したりもします。

ヴィンテージの多様性

ファッション業界といっても、ファストファッション、アパレルの国内や海外、大人の装いのインターナショナルブランド、さらに大人の成熟したラグジュアリーブランドなど、気が付くと子供から大人まで、たくさんのファッションに関わりのある分類というか、カテゴリーが増えていました。

赤ちゃんから大人への過程でも、着るものから履きもの、頭につけるもの、手に持つものなど、それぞれにたくさんの選択肢があり、そして多いので、選ぶ側が混乱するのがこのご時世です。
私が長い間仕事をしていた洗練された大人のラグジュアリーブランドの世界では、その時代のファッションに、すこし前のレトロなフィーリングを取り入れて、大人のスマートな装いとしてのデザインを発表することが毎シーズンの死活問題となっています。

毎シーズン、クリエイティブディレクターやデザイナーたちが、1920年代から1970年代を中心に、様々なスタイルの大人のキーワードを、代わる代わるに取り入れていますが、最近のデザインチームは、だんだん才能あるクリエーターが成長して、大人になってしまって大御所になってきましたよね。そしてファッション界も世代交代の時期に来ていて、1980年や1990年の、私の青春時代も大人の枠に突入、自分がますます大人の年齢を重ねていることを自覚しまいますが、若い人たちにも私の大好きな時代を大人っぽい要素として楽しんでもらえるのはすごく嬉しいことです。

デザイナーの方がファッション雑誌のインタビューの記事を見るとほとんどの人が、古着が好きで、古着を集めている人が多いです。心からファッションがすきなんだなぁ~と思います。ヨーロッパの人も、アメリカの人も、古いものが好きなんですよね。大御所の大人のデザイナーになると、その人自身の生きざまが映画になっている方もたくさんいますが、富や名誉があって成功している方でも、いまだにマーケットへ行って古着を買ったり、骨董品を大事に持っている人が多いです。

なんか憧れますよね。常に何かを追い求めているというか、凝り固まっていないというか、大人になっても柔軟で、原点を大事にしているところが面白いなぁと思います。親近感もわきますしね。

大人になればなるほど、人の生きざまとか、その人の人生観に注目するのですが、好きなものと作り出すものに、ギャップがあると面白い人だと思いますし、大人で成熟しているけと、少女性や少年のような人に出逢うと、より掘り下げて知りたくもなります。大人で富があっても、好きなものは変わらないというか…。可愛らしさと、信念がある大人に憧れてしまいますね。

もちろん日本人のデザイナーの方でも、海外に長く住んでいる方はそういうスタイルの方が多いですね。島田順子さんとか。大人になっても可愛い方だと思います。

私の少女時代は、選択肢が今ほどではなかったのですが、当時流行っていたファッションで、大人っぽくしたくて物足りないと思ったら、古い映画を見ては大人の装いを女優さんから研究したりして、街へ繰り出しては大人っぽい素敵な古着に出逢うために、お店を散策して、外国っぽい雰囲気の大人の行くような古着のお店へ見に行ったりしていました。頭に思い描いていた大人を演出するアイテムがなかったら、母に相談したり、母のお友達の洋裁が上手なおばさまにお願いして、カスタムオーダーをして大人の雰囲気の洋服を作っていただくなど、自分の理想の大人像を描いていました。

今思うと、大人さながらのオリジナルなファッションを楽しんでいたなぁ~と改めて思います。

とても贅沢ですね…。家族や出逢った大人の方たちに感謝しないとですね。

ファッションが多様化する現在でも、圧倒的に大人の雰囲気のデザインや、ヴィンテージフィーリングの

大人のデザインが支持されています。でもトレンドは巡り巡るものです。時代によって大人に価値観も様々です。

リラックスなファッションが支持されて…

ショップ内

2000年代になると、きちんとした装いの大人のファッションにも変化がありました。

大人の女性も、普段着や通勤とか人に合うときに着る装いに取り入れるようになったのが、リラックスウエアのフリースや、コストパフォーマンスがいいファストファッション。これらが登場してからの大人の「着る」概念は、美しく大人の洗練された姿を魅せるというよりも、コストパフォーマンス、気軽さ、堅苦しい大人の装いからの脱却で、より気楽さの選択肢が重視されてきました。大人のきちんとしたスタイルを着る風潮から、よりリラックスな時代へ…。ユニクロのようにコストパフォーマンスがよくて、シンプルで、あんまりゴテゴテと装飾をしなくて、飽きたり傷んだら破棄。そしてまた新しくてコストパフォーマンスがいいものを買う…。

気がついたら街にいる大人の着ている人々の洋服が皆さんユニクロですね~という日があります。

でも洋服やその他の装うものを使って、大人のお洒落をすることがだんだん面倒になってきたのか、はたまた飽きてきたのか…。

飾る部分が洋服だけではなくて、メイクやまつ毛やネイル、エステなど、大人の気を配るお洒落が身体のパーツの細部へも広がり大人の要素をこだわるようになって、大人のお洒落する部分が増えていました。
そしてファッションは、よりシンプルなデザインへ移行して、大人の横並びなデザインが増えて、右も左も似ているものが多くなってきました。

それには飽きてきたのか、そろそろお腹が一杯…。

ベーシックなトレンドが大人の象徴だったのですが、そのトレンドが長く続いていたので、別な大人好みのムーヴメントがじわじわと湧いてきたのでしょう。それに代わるものが大人のフィーリングなのでしょうね…。

大人が着るレトロな雰囲気で、ノスタルジックな大人の花柄や幾何学模様、ふわっとした長めの大人っぽいスカートや、ワイドパンツなど…。特に最近はレトロフィーリングで、ヴィンテージとか、古着っぽい新作の服が多いように思います。

どのファッション業界も、同じというかトレンドというか…。大人っぽくしたい年齢層が下がっているというか…。いろいろな大人の事情もあるとおもいますが、レトロなものが装うものも、メイクも、写真アプリも、電化製品もめぐっていますよね。面白いのですが…。

古着の市場の変化

昨今では、リサイクル産業が成熟して、大人の好むヴィンテージのビジネスが発展してきています。

アメリカではL.A、ニューヨーク、ヨーロッパではロンドン、パリやベルリンの他、最近では東欧などもブームで、日本では東京、大阪に素敵な大人のヴィンテージを扱うお店が増えています。

素敵な雰囲気の大人のオーナーさんの個性で面白いお店が増えています。国によっても大人のヴィンテージのトレンドは様々ですが、やっぱりお国柄がでますね…。
ロンドンへ行ったときに感じたのは、ヴィンテージショップや古着屋は若い人だけではなく、大人の人たち、ミドルエイジやお年寄りの方も買っていることでした。いろいろな価値観があると思いますが、経済的にリーズナブルだからと古着を買う人もいるのですが、自分自身を持っているというか、お洒落な大人のマダム達は自己表現の一部としてのワードローブを大人っぽく取り入れたコーディネートを完成させ、上手に取り入れています。マーケットへ行っても、若い人も大人も、自分の思い描くものを探すのが楽しそうでした。とくに大人の人を見ていると、とても上手に買っています。お店の人と楽しく会話して、話し込んでいたり…。それ含めて休日を楽しんでいますね。

海外でも、日本でも、素敵な古着を扱っているお店へ行くのがとても楽しみなのですが、お店の内装とかも素敵で参考になります。

ロンドンで行ったときは、年齢層が様々ですが大人の女性がやっている古着のお店に出逢うことが多くて、好みの古着が置いていると嬉しいものです。色や柄やスタイルなど、自分にないものがたくさんあるから参考になります。また大人のオーナーの方の個性で品ぞろえも変わるし、ライフスタイルがにじみ出ていて、大人の成熟さやセオリーがないと面白い店にはならないんだなぁとも思いました。

ベルリンのマーケットへ行った時、古着のお店には若い人と大人の人が同じくらいの比率でショッピングを楽しんでいました。その日はとても寒かったのですが、コートの下にセーターを合わせたり、その日の洋服に気温に合わせて取り入れたり、親子で一緒に古着のコートやジャケットを買って楽しんでいたりして、私は母と古着屋へ行って買い物をしたことがなかったなぁ~など、思いながら…。
日本だと、古着は若い人の着るものという固定概念があり、大人はあんまり好みませんし日本の文化にはまだそういう文化が遅かったので浸透していません。私も古着は若い時に卒業したし、大人が着るモノかなぁと思うようなそういう時期がありましたが、現在のファッション界のデザインの原点は結局のところ、ヴィンテージとか古着からパターンを起こしている…ということを知ってからは考え方が変わってきました。またヴィンテージとか古着が見たいなぁ、古着が好きなんだな…と。

ショップの構造とか品ぞろえによりますが、日本だと若い人向けの古着屋が多いのですが、大人の古着屋はだんだん少なくなってきていました。昔行っていた大人の方がやっていたお店がなくなったり、日本だと大人が古着を着る概念がマイノリティーといいますが、少ないので仕方がないのかなとも思います。モノを大事にする文化が薄いことも、あるのかとも思います。

ちょっと寂しい気もしますね。

価値観の飽和

誰もが知っている大人のが憧れるラグジュアリーブランドの素敵なデザインのウエアは、アイデアが勝負なので、結局のところ大人の洗練された印象のヴィンテージや古着から、インスパイアされていることが多いです。デザインが出尽くしてしまっているので、仕方がないことだと思います。
とあるラグジュアリーブランドでは、一着1,500ユーロのスカートも、似ているデザインがヴィンテージショップでは150ユーロだったりします。何に価値を置くかは大人にとっては個人の自由なのです。
いろいろなファッションを体験してきた大人が行きついたのは、若い時に楽しんだ懐かしい雰囲気の古着やヴィンテージのアイテムなのかもしれません。経済的にも、デザイン性にも、自分の生きてきた過程からも忘れ難いし面白い…。大人が楽しむファッションは創意工夫なのですからね。古着も着方を工夫することによっては大人の視点ではとても価値のあるものになります。

素敵な大人の女性に会うとすごく素敵なものを身に着けている人がいますよね。

「今日の服素敵!どうしたの?」

ときくと、実は古着なのよ!とか、母のおさがりなのという会話もよくありますよね。その人らしく、大人っぽく、古着をうまく合わせることで、とってもお洒落な大人の女性に見えるのも、大人の年輪と知恵と工夫を重ねた雰囲気勝ちという感じがします。

大人ファッションの極み!アドバンテージエイジの装い

海外では大人の方が上手にヴィンテージを取り入れています。 私の大好きな本に登場するロンドンの素敵な大人のマダム達も、ヴィンテージのアイテムをうまく自分のものにして取り入れています。

「このブラウスはZARAで買って、ジャケットはマーケットで見つけた古着なのよ!素敵でしょ!」

なんて明るい笑顔で、素敵な大人の女性がコーディネートをしているのを見ると、人生を謳歌している大人という感じがいいのですよ。新しいものと、古いものをうまくブレンドして、その人らしい個性が光っていて、そういうのも、ものを大事にする大人のヨーロッパ人のお国柄なのかなぁ~と思います。

日本人でも、海外の方でもそうですが、大人になっても古着や家族から譲り受けた古いものを大切にして、美しく装う人って、世界を通してとても魅力的な方が多いように思います。ものを大事にしている真心を感じるからなのでしょうかね。若い人もお母様の使っていたグッチのバッグを大事に使っていたりと、ブランドのバッグも、今のものよりも昔のバッグのほうが、くたっとした使用感も含めて、いい風合いだなぁと思いますし、そういうものを集めているマニアもいますよね。

古着でも、誰が着ていたかわからなくても、大人なんだから自分がよければいい。
古着ですこしほつれていても、色があせていても、サイズが小さくても、自分が気に入ったのならいい。
袖が長い古着でも、メンズでも、レディースでも、大人でも、子供でも、自分のサイズにあっていたならいい。
大人なんだから!自分が気に入ったものだから着るのは自己責任よ!!
みたいな、それぞれの個性というか、古着が好きな大人のポリシーが感じられます。
去年、ロンドンのリバプールストリートを歩いていた時、振り返ってしまうようなかっこいい大人の女性を見かけました。ご年配の女性でしたが、背が高くてロングヘアーに白髪が混じっていて、ゆるい大人の三つ編みをしていた方でした。黒いコムデギャルソン風のロングスカートに、古着の黒い羽織をコーディネートしていたから、度肝を抜かれました。着物ですよ!しかも羽織!紋が入ってましたよ。大人のアバンギャルドが素敵でしたね~。

かと思えば、別のヴィンテージフェアーでは、20代くらいのお兄さんがロックTシャツに古着の黒の羽織を着ていたのもビックリ!ロンドンで古着の羽織が流行ってるんだわね~と思いました。

日本では大人が古着の羽織をそういう風に着ると、間違えた着方だと思われる方が普通だし、勇気が要ります。でも日本人以外には、その知識がないので自由に着る勇気があるのですよね。異国の方が着るから古着の着物の固定概念がない。潔いというか、成熟しているというか、大人の自分をもっているからなんでしょうかね。感動したし、すごく素敵でした。

わりと自由な発想で大人になってもファッション道を楽しんできた私ですが、日本人の私が古着の着物の羽織を洋服風に着るのは…やっぱり既成概念が邪魔しますね…。大人になり過ぎてしまったのか…。

アドバンテージスタイルです…。

古着と出会った10代

10代の時、私はイギリスやアメリカのポップスターが大好きな音楽少女で派手な大人に憧れていました。

ミュージックビデオに登場する大人のアーティストたちは、とてもクリエイティブで、華やかな大人の衣装を身にまとっていて大好きでした。強い外国へのあこがれと、大人の自由奔放なファッションに魅了されていました。大人のアーティストと衣装と曲がそれぞれマッチしていてとても素敵でした。

大人の男性のアーティストが、王子様のような白いフリフリのブラウスに、ギターを弾いてカメラ目線で、お化粧をしていて、その違和感にハートを奪われたものでした。そういう憧れの大人のファッションをまねしたいと思う思春期のファン心理で、大人のアーティストが着ていたものにみたいな洋服を探したりしました。

当時住んでいた渋谷区神宮前の家の近くに、雰囲気のいい大人っぽい古着のお店がたくさんあったこともあり、古着は身近に感じていました。
80年代の表参道は、洗練された大人な街でした。俗っぽい言葉では、やっぱりスノッブが合うのかな…。そういう個性的な大人やとびきりのお洒落な大人、変わった大人、知的な大人が特別に多い街でした。私の家は、今でいう表参道ヒルズの裏にありましたが、その当時その一体は同潤会アパートという建物でした。戦後のレトロな雰囲気の面影を残す古いアパートには、神宮前の街を愛する大人の住人と、個性的な大人の古着を扱うブティックや、アンティークのショップが共存していました。
私の家の坂を下りた場所にあった古着屋は本当に外国感が強くて、10代の私には大人過ぎ!個性的すぎる!素敵すぎ!別格で、かなり入りにくいお店でした。毎日通学する道を自転車で横目に、大人の俗物的な古着の衣装がディスプレイされていると、へんてこなお店だなぁと思いながらも、大人の不思議な世界に惹かれるものがありました。
学校がお休みの日、母が骨董品とかアンティークが好きなので、ハナエモリビルの地下のアンティークマーケットへ行ってました。大人の洗練されたお洒落なファッションのハナエモリビルらしからぬ地下に、珍しいアンティーク街がありまして、そこへ行くのが楽しかったです。

骨董商が多い渋い場所ではありましたが、とても高そうな洗練された大人ではないと似合わないアンティークジュエリーや、侍の刀、お茶の道具、古布や古着など、陶器など、その当時の表参道は、今みたいに若い人のお店が多くはなかったので、アンティークや骨董品のお店が多かったし、大人のたしなみといいますか、こだわる大人好みの面白いものがあったように思います。

ある日の休日、ひとりで古着屋へ行こう!行くからには、店員さんに話しかけてもらえるように、自分なりに工夫した大人のお洒落をして覚悟を決めて出かけました。

15歳の私には、古着のお店に入るだけで勇気が要りましたで、大人へ階段を上るというか、ある意味大人肝試しだったので、とても買うことまではできませんでした。だた単に大人の世界へいざなったというか、大人の通うお店に入っただけで満足、本当に強めの個性的な大人のお洒落に、緊張感が走り、大人の店員さんのメイクや古着の衣装が派手で、声をかけてもらうにも冷や汗がでていました。
今思うと10代の私は好奇心が旺盛で、大人っぽい古着のおしゃれが大好きで、素敵な大人に憧れていたこともあり、子供にしては大人を目指して頑張っていたなぁ~と懐かしい思い出です。

初めて買った古着は…

最初に買った古着の洋服は、目黒区の青葉台に住んでいた頃、家の近くにあったユニークな大人の古着のお店で見つけような気が…。昔の話なので記憶が少し曖昧です。

その当時の青葉台は、昔からあるお屋敷や民家が多い場所で代官山に近いので、上品な大人の方が多かったのと、デザイナーズブランドと呼ばれた大人の洗練された日本のアパレルの本社も多かったです。

落ち着いた大人の住宅街でしたが、そのような場所には珍しい、海外のお店の雰囲気が漂っている大人の古着のお店がありました。今の古着屋とは違って、その当時の古着屋は卸もなかったので、オーナーが海外へ買い付けをして、こだわったデザインの古着や大人のレトロな衣装が多かったのですが、このお店にはアメリカの製品が多かったように思いますが、特に質の良い大人向けの古着が多かったように思います。アメリカ製?中国製?私が気に入ったのは、小さめの1960年代の古着の赤いカーディガンで、大人っぽいというよりも、可愛らしいフローラルモチーフの刺繍のものでした。色と刺繍のカラフルさにやられました。母もこのカーディガンを気に入っていましたね~。

こうやって昔のことを思い返してみると、フローラルな刺繍のものは大人になった今でも大好きなので、人の好みは変わらないのだなぁ~と思います。
その当時、私たちの世代では圧倒的な支持をされていた大人の女性への指南書であったオリーブというファッション雑誌がありましたが、古着屋さんを特集するときが数回ありまして、古着服の買い方とかが丁寧に書いてありました。オリーブをまねして、お休みの日に、お目当ての古着屋へ行くのが楽しかったですね…。

代官山もまだ今のようにお店が多くなかったのですが、大人が好きなお洒落な街として注目されていました。私の住んでいた目黒の青葉台からは自転車でいける距離でして、代官山まで15分くらい自転車で行って、ハリウッドランチマーケットをチラっと見て、そのあとはお気に入りの大人っぽい古着のお店を見て、シェリュイのケーキ屋さんで大人をまねしてお茶して…。興奮して帰っていくのが、私のお気に入りのお休みの過ごし方でした。高校生の時から、ひとりでカフェでお茶して、ウインドーショッピングをして…。大人になった今と変わらないですね。この習慣も。
時が経ち、短大を卒業して社会人になると、着る服が別な意味で大人の装いに変わってきました。お休みの日は私らしく古着を着て自分を解放していたこともありましたが、だんだん会社員的な大人のスーツとか、バブリーな大人の女の洋服を着る機会が増えたので、あんなに好んでいた古着の洋服がタンスの肥やしになって、いつの間にかクローゼットからはなくなってしました。

時代ともに、着るものの好みが変わり、しばらく古着を着ていたことも忘れていましたね…。

ハローアゲイン!ヴィンテージクロージング!

昨年20年ぶりに、ロンドンへ行きました。かつて住んでいたロンドンはやっぱり好きな街でした。

日曜日の朝、お目当てのアンティークマーケットへ。

朝から気合を入れて訪ねると、素敵な衣装が飾っているレトロなショップがありました。大人の雰囲気の古着のコーディネートが私の好みだったのと、何だかおもしろそうで、私の鼻が効いたのですが、開店前だったので閉まっていました。ドアの書いてあった開店の時間を確認して、後で見に行こうとかわいいカフェでお茶をして、ほかの古着のお店や、アンティークのマーケットを散策しながら時間を調整して、誘われるようにお目当てのショップに入っていきました。

店内は、大人の洗練されたアイテムがメンズとレディースに分かれていて、見やすいレイアウトで、なんとなく伝わる居心地のよさと、私の好みの大人のクラシカルなイギリスらしいデザインが多かったので、素直に楽しい!!と本場のヴィンテージの魅力を再発見、すこし時間を多めにとってこのお店の大人の洗練されたセレクトアイテムを見たいと思いました。
わたしよりも少し大人のお兄さんとお姉さんくらいのご夫婦が経営されていましたが、とてもフレンドリーで雰囲気がいいお店でした。雰囲気のいいお店って共通のセオリーがありまして、オーナーが静かで大人らしく見守ってくれて、お人柄が良く、フレンドリーさが感じるもので、そして清潔です。ヴィンテージショップで、製品のお手入れをしているなぁと感じるお店は少ないのですが、このお店は製品のコンディションがよく、ちゃんとクリーニングをしていることが分かりました。その分お値段も大人向けの違いがありますが、きれいにお手入れされた古いものは汚いと感じません。むしろお手入れをしていることで大事にしていることが伝わりますので、お店への信頼度が高まります。
ちょうどいいスペースの大人好みのお店の中を好き勝手に散策していると、日本人のスタッフの人が働いていて、九州のご出身の方で、古着が大好きな感じのいい方でした。私より若い方でしたが、大人の雰囲気と気立ての良さが伝わる方で、私のサイズに合いそうな大人っぽいアイテムを見せてくださったり、手の空いているスタッフも一緒におもてなしをしてくれて、本当に感じのいい大人のお店でした。
そしてオーナーさんが私の身に着けているものをさりげなくほめてくれるのもイギリスの大人というか、ジェントルマンのいいところです。
私はファッションの業界に長い間身を置いた大人なので、ファッションを好きな大人の流儀として、その方が身に着けているものはほめてあげたいと思っています。その方が家を出る前に、鏡を見て、支度をしたことが伝わるので、大人として最大の敬意を示すことはやりたい、同じ気持ちの方がいると嬉しいものです。
隅から隅までみて楽しんだこちらのお店では、イギリスの大人の女性ブランドというか、マダムのブランドのジャガーのリメイクしたタータンチェックにスカートを購入しました。なんとウエストのサイズがピッタリでした。サイズが合う古着は運命だと思います。いくら生地を気に入ってもサイズが合わなければ着ることがなくなります。しかもジャガーの生地なので上質でしたしプロパーでは、しばらく貯金をしないと購入できないお値段なのでいいお買い物となりました。

その他には、東ヨーロッパの民族衣装みたいな柄のイギリスの老舗ブランドの半袖のドレス。これもサイズがピッタリでした。柄とカタチが私の好みなのと、レトロですが状態がきれいな古着だったので気に入りました。

あとはレース。私はレースのものが好きなのですが、ヴィクトリアンエイジのレースのクロスを…。お部屋の好きなチェストやテーブルにレースがかかっているだけで癒されますよね。すこし破けていましたがその使い古した感じがまた私は気に入ったのでした。イギリスらしい大人の戦利品を買って帰りました。
久しぶりに、自分の原点回帰をすることができた大人のひとときとなりました。

そして、ひょんなことから思ってもいなかった珍しいヴィンテージフェアへ行くことに…。

次回へつづく…。

ご拝読いただきましてありがとうございました。

ティー・ウィズ・ドレス

Atsuko