(2021年のTea with Dress Diaryからリライトしました。)
英国王室御用達の老舗百貨店、フォートナム&メイソン。中でも人気の高い「ロイヤルブレンド」は、アッサムとセイロンをブレンドした伝統的な紅茶です。この記事では、長年愛され続けるロイヤルブレンドの魅力と、フォートナム&メイソンが持つ300年以上の歴史を紐解きます。英国の紅茶文化に触れながら、一杯の紅茶がもたらす豊かな時間について語ります。
長年愛され続ける、フォートナム&メイソンのロイヤルブレンドタグ
こんにちは。
福岡市天神5丁目でヴィンテージ&アクセサリーショップ「Tea with Dress」を営むAtsukoです。
イギリスに紅茶文化が根付いて久しいですが、その中でも揺るぎない地位を築き、多くの人々に愛され続けているブランドがあります。それが、英国王室御用達の老舗百貨店、フォートナム&メイソンです。
私がこの紅茶と出会ったのは20代の頃。ロンドンに滞在していた当時から、ピカデリーサーカスにある本店で茶葉を量り売りで購入するのが習慣でした。
この記事では、そんなフォートナム&メイソンが誇る名品「ロイヤルブレンド」の魅力と、その歴史を深掘りしてみたいと思います。
300年以上の歴史が育んだ「フォートナム&メイソン」
フォートナム&メイソンの創業は1707年。
この年は、イングランド王国とスコットランド王国が合併し、「グレートブリテン王国」が誕生した記念すべき年でもあります。歴史的な転換期に生まれたこのブランドは、まさに英国の歩みと共にその歴史を紡いできたと言えるでしょう。
創業から300年以上を経た今もなお、時代を超えて愛されるフォートナム&メイソン。
ロンドン本店は、紅茶好きにとってまさにワンダーランドです。
重厚な建物に足を踏み入れると、季節ごとにテーマが変わる上品なショーウィンドウが迎えてくれます。
ティーポットのネオンや、花々で彩られた華やかなディスプレイは、見ているだけで心が躍ります。



そして店内に入ると、ずらりと並んだオリジナルの紅茶缶が目を惹きます。
私にとってお気に入りの習慣は、定番のロイヤルブレンドとアールグレイを、決まった量で量り売りしてもらうこと。

缶だと場所を取ってしまうので、必要な分だけを大きな缶から専用の茶さじですくってもらい、ブランドカラーのミントグリーンのパッケージに詰めてもらう。この一連の流れも、フォートナム&メイソンでの特別な時間です。
「ロイヤルブレンド」のブレンドと味わい
フォートナム&メイソンの数ある紅茶の中でも、特に人気が高いのが「ロイヤルブレンド」です。
この紅茶は、1902年にエドワード7世のために初めてブレンドされたという由緒正しきもの。
インド産のアッサムと、スリランカ産のロー・グロウンセイロン(低地産)をブレンドしており、しっかりとしたコクと深みが特徴です。
私は毎朝、このロイヤルブレンドをストレートで楽しんでいます。

茶葉の量や抽出時間によって、ミルクティーにしても美味しくいただけます。
長年飲み続けている紅茶の色で、母が毎日のように今日を占う…そんなささやかな習慣も、この紅茶がもたらしてくれた豊かな時間です。
日本にいながら、手軽にフォートナム&メイソンの紅茶が手に入るのは本当に幸せなことだと思います。
特に福岡三越に店舗がオープンしてからは、この紅茶が私にとってより身近な存在になりました。
コロナ禍でなかなか英国へ行けない日々が続きますが、こうして手元にある紅茶から、遠いロンドンに想いを馳せる。
一杯の紅茶が、今日も私に安らぎを与えてくれています。