
ミドルエイジを迎え、ものの整理に悩む人は少なくありません。
更年期や体力の変化を感じながらも、身の回りのものを手放していくことで、心身ともに軽やかになるヒントを紹介します。季節ごとの片付けのタイミングや、書類、洋服、さらにはデジタルデータまで、具体的な整理方法を解説。シニア世代を見据えた終活の視点も加え、無理なく続けられる片付け習慣を身につけて、将来にわたって快適に暮らすためのステップを提案します。
悩み多きミドルエイジが向き合うモノ
ミドルエイジに差し掛かると、ふと立ち止まって自分の将来を考える時間が増えますよね。
特に更年期を迎える頃には、体力や気力の変化に戸惑い、「このままで大丈夫かな」と不安になることもあるのではないでしょうか。
気がつけば、いつの間にかたくさんのモノに囲まれて暮らしている……。そんな方も多いはずです。でも、モノとの向き合い方を変えるだけで、気持ちがぐっと楽になり、毎日を軽やかに過ごせるようになります。
「定期的な片付け」を習慣にする
私も10年以上前から整理収納を学び、片付けを生活に取り入れてきました。はじめは完璧に習慣づけられなかったものの、年に2回はモノとじっくり向き合う時間が定着しました。
私にとって片付けに最適なのは、5月のゴールデンウィークと11月の連休です。この時期は気候が良くて体が動きやすく、迷わずモノを手放せるからです。

- 5月: 新緑の季節は気分が前向きになりやすく、明るい気持ちで片付けが進みます。
- 11月: 本格的な冬が来る前でまだ寒くないため、腰が重くなりにくいです。
思わぬ「おうち時間」がくれた片付けのチャンス
先日、私は珍しく体調を崩して1週間ほど自宅で過ごすことになりました。
熱が下がり、少しずつ体が動くようになってから、ふと寝室を見回すと、書類や仕事道具が散乱しているのが目に留まりました。
普段は作業場としていない寝室ですが、エアコンがないアトリエの代わりにPCを持ち込んで作業をしていたのです。普段と違うデジタルアイテムの存在に、どこか落ち着かない気持ちを抱えていました。
これを機に、まず溜まっていた書類の整理から始めました。
1. 物理的なモノを手放す
雑誌、書類
まず手をつけたのは、かさばる紙類です。特に母が購読している暮らし系の雑誌が溜まっていました。母の部屋の棚を占領し、防災の観点からも気になっていたところ、母から「全部捨てたい」と依頼が来たので、これ幸いと手放すことに。
宅配買取サービスを利用すると、不要な段ボールに詰めて申し込むだけで、自宅まで集荷に来てくれます。重たい本を自分で運ぶ手間が省けるので、金額はつかなくても、この手軽さが本当に助かります。
このとき、自分の本も一緒に箱に詰めました。「いつか読むかも」と思っていた本や、仕事で使った資料を処分すると、部屋だけでなく頭の中までスッキリしました。
洋服
次に着手したのは洋服です。ファッション業界にいたこともあり、洋服を手放すのが一番苦手でした。でも、最近は人前に出る機会が減り、高価な服を買わなくなったこともあり、以前より手放しやすくなっています。
長年着ていない服は、カビが生える原因にもなります。もう7~8年着ていないブランド服も、今回は思い切って処分しました。
年齢を重ねるにつれて、「たくさん持つこと」が負担に感じるようになります。モノを減らすと心が軽くなり、本当に好きなモノだけに囲まれて暮らせるようになります。
2. デジタルなモノを手放す
物理的なモノだけでなく、デジタルなモノにも囲まれて暮らしています。最近は特に気になってきたので、PC内のデータも定期的に整理するようにしています。
- 写真データ: 旅行や日常で撮りためた写真は、あっという間にストレージを圧迫します。本当に大切なものだけをバックアップして、それ以外は削除します。
- ファイル: 何年も前のプロジェクトファイルや、使わなくなったソフトウェア、ダウンロードした記事なども定期的に見直します。
「いつか必要になるかも」と不安に思うかもしれませんが、一度整理したデータを後から探すことはほとんどありません。デジタルデータも物理的なモノと同じで、手放すことで心が軽くなります。
片付けは未来の自分へのプレゼント
片付けは「過去の自分」と向き合う作業です。そして、不要なモノを手放すことは、「未来の自分」へのプレゼントです。
今回の片付けを終えて、心も体も軽くなりました。昔は「もったいない」と手放せなかったモノも、「もう必要ない」と潔く判断できるようになりました。
ミドルエイジからの片付け習慣は、やがて来るシニア世代を快適に過ごすための大切なスキルです。最近、有料老人ホームへの入居を控える叔母の終活を手伝いましたが、物を捨てられない世代の叔母は、手放すことにとても苦労していました。
一方、私と一緒に暮らす母は、定期的に物を手放す習慣があるため、とても軽やかに暮らしています。
将来の暮らしを豊かにするためにも、ミドルエイジの今からモノを減らし、身軽に生きるための習慣を育むことをおすすめします。