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ヴィンテージとアクセサリーのお店を福岡につくったのは…

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(2020年の記事をリライトしました。)

かつて福岡天神に実在したヴィンテージショップ「Tea with Dress」。店主が、ヴィンテージやハンドメイドアクセサリーに込めた想いを振り返ります。アクセサリーブランド「Chicory」誕生秘話から、ロンドンのヴィンテージショップでの思い出、そして「大人と古着」の関係性まで、ノスタルジックな物語を記します。



Tea with DressのAtsukoです。

福岡・天神の片隅にあった実店舗はクローズましたが、そこに込められた想いと、ヴィンテージ、そしてハンドメイドアクセサリーへの情熱を、改めて皆様にお届けします。


目次

大人のヴィンテージと、少女時代のノスタルジー

「なぜ、人はヴィンテージに惹かれるのか?」

私が福岡でヴィンテージショップ「ティー・ウィズ・ドレス」をオープンしてから、たくさんのお客様との出会いがありました。遠方から足を運んでくださる方も多く、その度にヴィンテージやハンドメイドアクセサリーへの関心の高さを感じ、心から嬉しく思います。

私のショップでは、ヨーロッパで買い付けたヴィンテージウェアやアクセサリー、陶器に加え、自作のハンドメイドアクセサリー「Chicory(チコリ)」を展開していました。静かな天神北エリアに佇むレンガ造りの建物で、お客様に「外国みたいなお店」「福岡にはない雰囲気」と言っていただけたことが、何よりの喜びでした。

今回は、そんな私にとって特別な存在であるヴィンテージと、ハンドメイドアクセサリーの魅力について語りたいと思います。


「Chicory」誕生秘話:アクセサリーが紡ぐ物語

私がハンドメイドアクセサリーを本格的に作り始めたのは、福岡へ移住する少し前のこと。

東京・谷中にある「東欧民芸クリコ」のオーナー、かな子さんの後押しがきっかけでした。彼女の言葉に勇気づけられ、旅先で集めてきたパーツを組み合わせ、カラフルでポップなイヤリングやピアスを制作。家で“なんちゃって展示会”を開き、撮影した写真をクリコさんに見せたところ、店頭に置いてもらえることになりました。

自分の作品が誰かの手に渡る喜び。それは、何にも代えがたいものでした。特に印象的だったのは、かな子さんから寄せられた「イヤリング派の悩みを解決するアクセサリーが少ない」という声です。

軽さや金具の工夫を重ね、使い心地のよいアクセサリーを追求する中で、私の作品は少しずつクリコさんのお客様にも知られるようになり、リピーターの方が増えていきました。


ヴィンテージとハンドメイドアクセサリーの出会い

クリコさんで扱っていた、ウクライナ刺繍のヴィンテージブラウスやドレスは、私にとって特別なものでした。何年か探し続け、ついに運命の一着に出会った時の喜びは、今でも鮮明に覚えています。

そのヴィンテージドレスに合わせるアクセサリーが欲しくなり、試行錯誤を重ねて作ったのが、「ウクライナネックレス」です。刺繍の繊細な色合いを拾い、モダンな雰囲気になるようデザインしました。

ヴィンテージの良さを引き立てるハンドメイドアクセサリー。この発想は、私にとっての新しい発見でした。古いものと新しいものを組み合わせることで、ファッションはもっと自由で楽しいものになる、と確信したのです。


「チコリ」に込めた想いと「ジャスパーウェア」の思い出

私のハンドメイドアクセサリー「Chicory」は、サラダを彩る野菜の「チコリ」から名付けました。「チコリがサラダを華やかにするように、身につける人の個性を引き立て、コーディネートをさらに素敵にする存在でありたい」という願いが込められています。

アクセサリーの中でも特に思い入れが深いのが、イギリスのウェッジウッド社が作る「ジャスパーウェア」のヴィンテージブローチです。カメオのような繊細なモチーフと、独特のマットな質感が魅力。

20代の頃、ロンドンのポートベローマーケットで出会って以来、旅先で見つけるたびにコレクションしてきました。19年ぶりに再訪したロンドンで、偶然にも2つのブローチを手に入れたエピソードは、今でも忘れられない思い出です。ヴィンテージとの出会いは、まさに一期一会。


大人が楽しむ「古着」という選択肢

ファッション業界では、トレンドが常に移り変わります。しかし、その源流には必ずヴィンテージや古着があります。かつて「若者のもの」というイメージが強かった古着は、今や大人が楽しむファッションとして再評価されています。

私が10代の頃、渋谷や原宿で、大人のファッション誌「オリーブ」を片手に古着屋巡りをしていたように、古着は憧れの「大人」を演出するアイテムでした。

海外では、年齢を重ねたマダムたちが、ファストファッションとヴィンテージを上手にミックスし、自分らしいスタイルを楽しんでいます。それは、単に経済的な理由だけではなく、**「ものを大切にする心」「個性的な自己表現」**が根底にあるからでしょう。

ヴィンテージは、着る人の知恵や工夫、そして人生の年輪を映し出します。ほつれや色褪せも、そのアイテムが経てきた時間の証であり、唯一無二の魅力となります。


おわりに

かつての「Tea with Dress」の店内は、私の想いと、ヨーロッパで出会った個性豊かなヴィンテージ、そして手作りの「Chicory」で溢れていました。

お店はクローズしましたが、ヴィンテージとアクセサリーが私に教えてくれた「自分らしさを大切にすること」「古いものと新しいものを自由に組み合わせる楽しさ」という想いは、今も私の心の中に生き続けています。

Thank you for sharing.
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