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大人とヴィンテージと古着、私たちが惹かれる理由

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(2020年の記事をリライトしました。)

大人とヴィンテージと古着。なぜ今、私たちは古いものに惹かれるのか?
ヴィンテージショップ店主が、自身の少女時代の思い出から、ロンドンでの再会、そして大人が古着を着る魅力について語ります。ファストファッションと古着をミックスする「アドバンテージ・エイジ」の着こなしを提案する、心温まるエッセイです。


こんにちは。Tea with DressのAtsukoです。

当ショップを日頃からご愛顧くださる大人の皆さま、そしてファッション好きな若い世代の皆さまへ。
今回は、なぜ今、大人がヴィンテージや古着に惹かれるのか、その魅力と私自身の体験についてお話ししたいと思います。

ここ数年、ファッション業界では、古き良きデザインやヴィンテージの要素を取り入れたスタイルがトレンドの主流となっています。ファストファッションや高級ブランド、どんなカテゴリーにおいても、どこか懐かしい「ヴィンテージフィーリング」を感じるアイテムが増えました。

なぜ、私たちはこれほどまでに古いものに心惹かれるのでしょうか?

チロルジャケット赤

大人の好奇心をくすぐるヴィンテージの多様性

現代は、ファッションの選択肢が飽和状態にあります。子どもから大人まで、あらゆるスタイルが溢れかえり、選ぶ楽しさと同時に混乱も生み出しています。そんな中、洗練された大人のラグジュアリーブランドですら、過去のデザインからインスピレーションを得ることが増えています。

ファッションデザイナーの多くが古着好きであることは、よく知られた事実です。富や名声を得た大御所デザイナーでさえ、骨董市や古着屋を巡り、自分だけの宝物を探し続けています。その姿は、凝り固まらず、常に柔軟な発想で、原点を大切にするプロフェッショナルな姿勢を示しています。

私が少女だった頃、ファッションの選択肢は今ほど多くありませんでした。だからこそ、古い映画を見て女優たちの着こなしを研究したり、母や洋裁の得意な友人の母に相談して、オリジナルの服を仕立ててもらったりしていました。今振り返ると、とても贅沢で、周りの大人たちの知恵を借りながら、自分だけのスタイルを模索していたのだと思います。

ファッションが多様化した現代でも、レトロでノスタルジックなデザインが支持されるのは、単なる流行だけでなく、そこに個性を求める人々の潜在的な欲求があるからかもしれません。


大着と古着の再会:ロンドンでの原点回帰

社会人になり、スーツや会社のドレスコードに合わせた服を着るようになると、次第に古着からは遠ざかっていました。しかし、20年ぶりに訪れたロンドンで、私の古着への情熱が再燃しました。

ショップ内

日曜日の朝、訪れたアンティークマーケットで見つけた一軒のヴィンテージショップ。店内は、クラシカルな英国らしいデザインのアイテムで溢れていました。そこで出会ったのは、気品がありながらもフレンドリーな、少し年上のご夫婦が営むお店でした。

【ヴィンテージショップの選び方】

  • 清潔感があるか: 大切に手入れされているか。
  • オーナーの人柄: 居心地の良さはオーナーの雰囲気がつくる。
  • レイアウト: 商品が見やすく、自分好みのアイテムがあるか。

このお店で、私はウエストがぴったり合うタータンチェックのスカートを購入しました。それは憧れの高級ブランドの生地を使ったリメイク品で、プロパーでは手が出ない価格ですが、ヴィンテージだからこそ手に入れることができたのです。

「サイズが合う古着は運命」

その言葉通り、状態の良いヴィンテージは、年月を重ねた風合いと、誰かが大切にしてきた物語を感じさせ、私たちの心を豊かにしてくれます。


アドバンテージ・エイジのファッション

海外では、若い人だけでなく、ミドルエイジやシニア世代が古着を上手に着こなしています。経済的な理由だけでなく、自分らしいスタイルを表現する手段として、ヴィンテージを取り入れているのです。

「このブラウスはファストファッションで、ジャケットは古着なのよ!素敵でしょ!」

ロンドンの素敵なマダムがそう言って笑う姿は、人生を謳歌している大人の余裕を感じさせます。新しいものと古いものをミックスし、独自の個性を光らせるスタイルは、ものを大切にするヨーロッパの文化が背景にあるのかもしれません。

日本でも、最近は古着文化が広まりつつありますが、まだまだ「若い人のもの」という固定観念が根強いように感じます。しかし、ファッションのルーツをたどると、多くのデザインが古着から生まれていることに気づきます。

古着は、ただの古い服ではありません。ほつれや色あせ、使用感も含めて、その人の個性を引き出す「アドバンテージ・エイジ」のファッションなのです。

Thank you for sharing.
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