目次
Tea with Dress 4th アニバーサリー企画
ハンドメイド作家のユッカリーナ・エルドゥさんの東欧刺繍に魅せられたルーツにせまる!
ヴィンテージショップTea with DressのAtsukoです
ヴィンテージショップには色々なお客様がきてくださいます
私は人に興味があるので、実店舗でもウェブショップでもご来店くださる方は特に興味が湧きます
やっぱり嬉しいですし、世の中にはたくさんのお店やウェブショップがあるのに、私のお店へ来てくださることが奇跡だと思います
ヴィンテージショップTea with Dressの4年間の活動を通じて、いろんな方とお知り合いになって参りましたが、このブログではヴィンテージショップに出入りするヒトにフォーカスして、インタヴュー形式で記事を載せてみたいと思います
第2回目は、刺繍作家のユッカリーナ・エルドゥさんです
リラックスして読んでくださいね
私のお店ではヴィンテージアイテムの他に、国内で活躍するハンドメイド作家さんの作品をご紹介しています
作品はウェブショップでご紹介していますが、作家さん自身のことを改めて知る機会がなかったのではと思いました
作家さんを知る方法は色々あります。
何かのイベントで作家さんに逢いに行ったり、インスタをフォローするなどもそうなのかなと…
例えばイベントの限られた時間で、他のファンの方がいらっしゃる中、作家さんとお話をしたりしますが、じっくり話すことは厳しいと思いますし、SNSではタイミングというか、断片的にその方を知るという感じですよね
私自身も私のお店で紹介させていただいている作家さんの作品は拝見していますが、なぜ創作活動を始めたのかをよく知らないなと思いましたし、知りたいなと思いました
そこで今回は改めて作家さんへのインタビューをご紹介したいと思います
ルーマニアの旅~刺繍との出逢い
ユッカリーナ・エルドゥさんはルーマニアのイーラーショシュ地方に伝わる太い線の糸を使った刺繍とオリジナルを組み合わせて、刺繍小物をつくっていらっしゃいます
刺繍作家を始めることになったきっかけについて伺いました
ユッカリーナ・エルドゥさんが20代後半、ルーマニアの文化に触れる機会がありました。
もともと東欧舞踊や音楽に興味があり、ルーマニアという国の文化に惹かれて、ルーマニアへ3回ほど足を運んで行くようになりました。そのうちに、ユッカリーナさんは民族衣装に惹かれていったそうです。
この時は手芸ははじめていなかったそうで、自分で刺繍のものをつくるという気持ちはなかったということでした
転機~谷崎聖子さんとの出逢い
ユッカリーナ・エルドゥさんは子育てが落ち着いた頃、伝統手芸研究家の谷崎聖子さんにネットで知り合い、ルーマニア文化に興味があるもの同士、意気投合
谷崎さんは東欧の刺繍を紹介する活動をしていたこともあり、彼女の本を手に取り、見様見真似で刺繍をはじめてみることにしました
ユッカリーナ・エルドゥさんはイラストや絵を描くのが好きで、自分で刺繍の図案を描いて、糸も試行錯誤で自己流で作品を作り上げて作品を完成
刺繍作品をブログに載せてみたところ、ユッカリーナ・エルドゥさんの作品を欲しいという方が現れ、バッグをミンネに投稿したら売れるという嬉しい体験をしました
その時の処女作がこちらです。
初々しい中に好奇心が伝わる作品ですね…
このバッグが売れたことが自信となり、自分でもできるかなぁと、家事の合間に創作活動を続けていきました
勇気~東欧民芸クリコさんとの出逢い
ユッカリーナ・エルドゥさんは東欧刺繍を刺しはじめて、色々な東欧仲間に出逢っていくことになりましたが、チェコの藍染を紹介しているViolkaさんとのご縁で、東京の千駄木にある東欧民芸クリコさんを知ることになりました
東欧民芸クリコさんへお邪魔した日、ユッカリーナ・エルドゥさんは自分でつくった刺繍作品をクリコさんに見せたら、褒めてもらえてとても嬉しかったそうです
家に帰り、改めて自分の刺繍作品をクリコさんのお店に置いてもらいたいという気持ちが強くなり、勇気を振り絞ってメールで相談してみたら即OKでした
ど緊張のユッカリーナ・エルドゥさんが思っていたよりもクリコさんの答えはあっさりだったので、拍子抜けしたそうですよ!
きっとクリコさんのお店に行ったことで、ユッカリーナ・エルドゥさんの作品や人物に会えたからクリコさんも安心したんでしょうね。
東欧民芸クリコさんのデビュー作品は雪の結晶のオーナメント。
東欧刺繍のモチーフはトリと花は定番のイメージだったので、季節がクリスマスということもあり季節感のあるものにしたそうです。
その後、色々な創作経験を経て、最近クリコさんではタスキの部分に刺繍が入ったメッセンジャーバッグが人気だそうです
この作品はクリコさんのお店の雰囲気にとてもあっていますよね
ユッカリーナ・エルドゥさんのお気に入り作品
こちらはユッカリーナさんのご愛用のクッション。色が素敵ですよね。左はジャン・コクトーのイラストからつくったそうです
ブルーとホワイトのコントラストが素敵!
こちらの作品はスカートに刺繍をしたものです
最近のヒット~ティーコージーとの出逢い
創作活動の中で最近のヒットはありますか?と伺ったところ、ティーコージーということでとても嬉しく思いました
実はティーコージーは私のお店のTea with Dressよりユッカリーナ・エルドゥさんにオファーしたアイテムでした
私の営むヴィンテージ&アクセサリーショップのTea with Dressでは、ティータイムの道具として、ティーカップやマグカップ、ティーポットを扱っています
ティータイムを楽しむアイテムとして、紅茶好きな方だったらティーコージーは欲しくなるアイテムです
そこで刺繍のティーコージーがあるといいなと思い、ユッカリーナさんに相談してみました
私の思い描くティーコージーを説明してつくっていただきました
例えば、
◆サイズ感は私のお店で扱っている丸いティーポットのサイズにあうように型紙をつくってお渡しした
◆ティーポットが冷めないように中綿を厚めにしてもらうようにサンプルの綿を送った
◆内側はイギリス紅茶好きとして、タータンチェックにしてもらいました
◆ティーポットの下に敷くティーマットにも刺繍とタータンチェックでリバーシブルにしていただき細部にこだわる
などリクエストをお伝えして、ユッカリーナさんにはご無理をきいていただきましたが、試行錯誤していただきとても可愛い作品ができました
こちらはTea with Dressとユッカリーナ・エルドゥさんのコラボデザインです
私の好きな色の赤で、刺繍してくださいとお願いしてとても可愛いティーコージーをつくっていただきました!
どうでしょう!素敵でしょう!こんなに可愛いティーコージーは本国のイギリスへ行ってもなかなかお目にかかれませんよ!
こちらは少し小さいサイズで、ハートのモチーフがとても可愛いですよね
チャレンジ~オリジナル民族衣装の制作
これからやりたい創作活動はありますか?
と質問を投げてみました
これまでの刺繍活動の経験から刺繍の図案、生地、デザインなどを含めてオリジナルの民族衣装をつくろうと製作中だそうです
縫うのはちょっと自信がないということでしたが、生地や図案を考えてつくりたいと楽しそうに語ってくださいました
この計画を伺い、私はユッカリーナさんにとって原点回帰なのかなと思いました
もともとは民族舞踊との出会いから刺繍に出会ったこともあり着地点としてとても納得がいきますし楽しそう!完成した民族衣装を見てみたいですよね
ユッカリーナ・エルドゥさんにとっての東欧刺繍とは…
「自分にとって刺繍は癒しになっています」
「毎日の生活の中で、いいこともあれば辛いこともありますが、刺繍を刺していると無心になって気持ちが落ち着くし、もやもやしたいたことが消えていく
谷崎聖子さんの言葉で印象に残ったのですが、ルーマニアの女性は寒い冬には家の中で刺繍をして過ごすそうです
きっと彼女たちも女性として日常の中で感情が動いていると思いますが、刺繍を刺すことで、ルーマニアの女性たちと同じ気持ちになれることも癒しになっています
そんな癒しが作品となりお客様に気に入ってもらえて、喜んでいただけるのか嬉しいです」
後書き
ヴィンテージ刺繍の布や民族衣装を見て思うのですが、味わいのある刺繍のもので使い込んでいたり、ステッチがイビツで、色が可愛かったりと、刺繍を刺した人の人柄が刺繍に出るのだと思います
ユッカリーナ・エルドゥさんの作品にも刺繍の丁寧さやその味わいが感じられて、ユッカリーナ・エルドゥさんの人柄と刺繍の雰囲気がお客様の心に響くんだと思います
これからもユッカリーナ・エルドゥさんの癒しの東欧刺繍の作品を楽しみにしています